自筆証書遺言がパソコンで書けちゃう?

日本生前相続サポートセンターの小山です。新聞記事によると、自筆証書遺言をパソコンなどで作成できるよう、法務省が民法を改正する方針だそう(2023年10月4日、中日新聞)。利用が低調な自筆証書遺言をより多くの人に書いてもらうのが狙いのようです。

自筆証書遺言は、現在は手書きするよう定められていますが、パソコンで書ければ手軽だから、みんなが書くようになるだろう…ということかしら。うーん、どうでしょう。やはり、なぜ遺言書が必要なのか、なんのために書くのか、広く周知できないと、簡単に書けるからといって普及はしないと思うのですが…。

遺言は、亡くなった後のために書くものと多くの人が思っていらっしゃるし、実際その通りです。無用な親族間のごたごたを防いだり、ごたごたしなくても面倒な遺産分割協議をしなくて済みます。でも、それだけでしょうか。私は、遺言は、よりよく生きるためのものだと考えています。誰でもいつかは亡くなりますが、心配事を減らして、より充実した日々を「その日」まで送れるようにするためのものだと思うのです。死ぬためでなく、生きるために書くのが遺言です。

パソコンで作成する自筆証書遺言は、偽造や改ざんを防ぐ方法が必要ですからすぐに実現ということはなさそうですが、進捗に注目していたいと思います。

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