日本生前相続サポートセンターの小山です。被相続人が遺言書をのこさず亡くなられた場合は、相続人が話し合って、その結果を「遺産分割協議書」に記します。不動産の登記、金融機関の相続の手続きに必要な書類です。家族仲も親類関係も良好だから、うちは問題ない…そう思われる方も多いと思いますが、気を付けなければならないことがあります。
それは、認知症です。相続人の中に認知症の方がいらっしゃった場合、その方は遺産分割協議に参加ができないということです。既に後見人がついている場合はその後見人が本人に代わって協議できますが、まだの場合、遺産分けの話し合いのためだけにでも法定後見人を裁判所に選任してもらわなければなりません。そしてその法定後見は、「遺産分割が無事済みました、ありがとうございました」と言って終わりにはできず、ご本人が亡くなるまで続きます。
認知症はいつ誰がなるか分からないものです。上記のようなケースは、ご高齢の配偶者にしばしばみられる問題ですが、遺言書さえあれば心配しないで済むことでもあります。たとえ、仲の良い家族だったとしても、こうした観点から、遺言書を書いておくことは、相続人の負担を減らすことにつながります。