終活と夏休み

日本生前相続サポートセンターの小山です。先週末、岡谷市「終活セミナー」で、少しだけ講師をさせていただきました。エンディングノートについて知っていただくセミナーで、後見や遺言書など他の対策との関係について、夏休みの宿題と同じで、終活は「先に済ませると後が楽」とお話ししました。

エンディングノートというと、亡くなった後を見てくれる人への指示やお願いというイメージが一般的かと思いますが、実は、認知症などで後見が必要になった際にも役立つ可能性があります。自分を理解している人と元気なうちに契約しておく「任意後見」と違い、認知症発症後に裁判所に後見人を選任してもらう「法定後見」の場合、見ず知らずの専門職の方にお任せするケースも少なくありませんから、財産を守っていく上での手がかりになるものだと考えられます。また、遺言書がなく遺産分割協議が必要になった時、相続人を確定するための戸籍集めや、財産を確定するための預貯金口座確認に役立つこともあります。また、延命治療について意思が書かれていれば、最期をどう迎えるか、親族の決断の助けになり、心の負担を減らせるかもしれません。

とはいえ、「遺言書」「任意後見契約書」「リビングウィル」「尊厳死宣言公正証書」…など、それぞれの守備範囲をがっちり固める各種書面もあった方が安心は大きくなります。エンディングノートだけでは足りないのは事実ですが、気が重くなりがちな「終活」の入り口としては最高です。

「先に済ませると後が楽」という点で夏休みの宿題と終活は似ていますが、決定的な違いが一つあります。夏休みは最終日が分かっていますが、終活の最終日はあすかもしれないし30年後かもしれないということ。先送りする手はありません。人生を「楽しい夏休み」にするために、エンディングノートから始めてみませんか?(2025.8.4)

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