日本生前相続サポートセンターの小山です。お客様がお元気なうちに、必ずやってくる「その時」への備えを整えるお手伝いをさせていただくのが私の仕事の一つです。いわゆる「終活」は、喜び勇んでするタイプのものではないけれど、備えておくこと、面倒だったり気がかりだったりすることを先に済ませてしまうことで、そのあとは気が楽になれるものでもあります。例として適切かどうかはともかく、宿題を先にやってしまって、あとはのんびり夏休みを過ごす…というのと似ているかもしれません。
毎週楽しみにしているテレビ番組に、NHKの「クラシックTV」があります。ピアニストの清塚信也さんの番組です。先日のゲストは俳優の松山ケンイチさん。この日のテーマだった若いベートーベンが書いた「ハイリゲンシュタットの遺書」に触れ、自分も数年前に書いた「遺言書みたいなもの」が引き出しにあり、「書き終わったときにすっきりした」「何も考えずにこれからの事に集中できる」と話していました。まだ40歳と若く、人気もある俳優さんがこんなことを言うとは驚きでしたが、まさに彼が言う通りだと思うのです。遺言書は、自分の死後のために書くものでもありますが、何より、気がかりを払しょくしておくことで自分がこれから生きていく時間をより良くするためのものだと私は思います。死ぬために書くのではなく、生きるために書くものです。
あすはことしの折り返し地点。事務所から車で10分ほどの諏訪大社春宮へ、節目のお参りに行きました。あす行う「夏越の大祓」のための茅の輪を準備しているところでした。お客様のお手伝いができるのも、自分が健康であるからこそ。そのことに感謝しつつ、後半もよろしくお願いいたしますと柏手を打ちました。(2025.6.29)